【初めての見積り】業務用エアコン取り付け工事の費用と相場

業務用エアコンを購入したは良いけど、工事費用ってどれくらいかかるのか想像もできない、という方のために、概算ではありますが、参考値をご紹介します。

室外機設置費用

設置場所や設置条件によるところが、かなり大きいのが室外機の設置費用です。
5~6馬力程度の室外機であれば2~3万円、8馬力以上になると3~5万円が基本的な設置費となりますが、
地面に設置できるのか、
鋼材を組んで架台を設けるのか、
壁面に据え付けるしかないか、
場所が限られていて、室外機を2段に組み上げる必要があるのか、などの条件によって、費用は増減します。

室内機設置費用

一方で、室内機の設置費は、おおよそ目論見がたちます。
室内機にも、天井カセット型や天吊型、壁掛型、床置型、天井埋め込み型など多種多様で、それぞれに馬力の設定があるものの、こちらは3~4万円が相場。
勿論、馬力の大小で若干の金額差は生じますが、何万円も異なるようなものではありません。

配線・配管工事

【配管】
室内機と室外機をつなぐ配管(冷媒管)ですが、業務用エアコンの能力によって使用する配管のサイズが異なります。
そして、室内機と室外機を冷媒が循環するための管ですので、2本の大きさの異なるパイプを用います。
代表的な組み合わせですが、

  • 6.4φ × 12.7φ  3,000円 ~ 4,000円
  • 9.5φ × 15.8φ  4,000円 ~ 5,000円
  • 9.5φ × 25.4φ  6,000円 ~ 7,000円
  • 12.7φ × 25.4φ  6,000円 ~ 8,000円 程度と考えます。

いずれも、1mあたりの費用です。
ただし、冷媒管は銅でできています。
為替や産出国(主に南米)の生産状況や需給バランスで大きく価格が変動しますので、ご注意ください。
単価の設定はまだしもなんですが、素行のよろしくない業者はm数を「ちょろまかす」と、よく耳にします。
本当は10mしか配管の必要がないのに、15mとか20mもの距離で積算します。
確かに、直線的に配管できないことがほとんどですが、あまりに距離が長い時は、業者に確認しておきましょう。

電源線の配線

ブレーカーから業務用エアコンまでの、電源線工事は1~2万円程度でしょう。
距離や経路によっても前後しますが、さほどの振れ幅はない筈です。

ドレン管工事

室内機が冷房をした時、空気中の水分が結露して、凝縮水を生じます。
この凝縮水を排出する配管がドレン管です。
塩ビパイプを敷設しますが、こちらも大まかに2種類の口径があります。
VP20  3,000円
VP25  3,500円
いずれも1mあたりの単価です。

制御線工事

室内機と室外機は配管だけつながっていても運転できません。
様々な信号をやり取りしたり、室外機で受電した電源の一部を、室内機の運転電源にするため、その電源を供給する電線が必要です。
また、大半の業務用エアコンはリモコンもワイヤード式。
リモコン線も必要です。
この制御線工事は、配管工事費に含まれる場合がほとんどですが、業者様によっては、配管費と配線費を分離することもあります。
この記事では、先に記した配管費に、制御線工事費は含んであります。
またリモコン線工事費は1mあたり1,000円前後です。

搬入出費

室外機は馬力によっては、人力で運べない程、重いものです。
また、数人で運べる室外機でも、搬入経路が狭かったり、機械が通れないなどの場合は、レッカーで所定の位置に吊り揚げる必要があります。
レッカーで搬入する場合は、60,000円程度かかります。
レッカー費用は、1日でいくら、という勘定です。
1トンのものを10回吊っても、10キロのものを1回吊っても、通常、代金は同じです。
人力で運搬できるなら、2万円までかと考えます。

廃棄処分費

業務用エアコンの冷媒に使用されるフロンガスを、ムヤミに放出することは、法律で禁止されています。
認定を受けた破壊処理工場で、確実に処分(破壊処分、と言います)されなければなりません。
見積金額は安い方が良いのですが、詳細の項目の中に、「冷媒回収」とか「破壊処分費」などという文言が無い場合は、悪徳業者かもしれません。
犯罪に手を貸さないよう、これらの言葉があるかどうが、確認しておいてください。
15,000円~20,000円です。

気密試験費

配管工事に含む業者さんもいらっしゃいますので、明言しにくいのですが、業務用エアコン1セットで20,000円前後を積算するのが普通です。
特に、配管をそのまま利用して、室内外機を新しくする工事(リプレース工事)の場合は、必須です。
見積に記載が無かったら、「本当に気密試験を行うのか」確認しておいた方が良いです。

金物、消耗部材費

冷媒管やドレン管を支える金物や、室内機・室外機を固定するためのネジやアンカーなど、金額は小さいけれどもありとあらゆる部品・部材・金物類の費用がこの項目に算入されます。
こちらは現場や状況によって1~10万円程度の幅があり、何とも言えません。

その他(ダクト工事・天井工事など)

天井埋め込み型の場合、空気を送る配管(ダクトと言います)の材料費・保温工事費・敷設工事費が生じます。
また、ダクトを配管する場合、一度天井を落として配管した後に復旧する必要がありますので、その費用も生じます。
ダクトの距離や本数によりますが、8~10万円程度は考慮する必要があります。

養生費

飲食店や、ホコリを残してはいけない、また搬入出経路に傷を残さないために、あらかじめ保護材やシートを施しておき、事故を未然に防ぎます。
これを養生と呼びますが、これらの費用も条件によりますので、ハッキリ言いにくいのですが、4~5万円は見込んでおいてください。

試運転調整費

施工が終わって、実際に運転してテストを行う費用です。
また、機種や冷媒管の距離によって、冷媒を既定の量に達するまで追加しなければなりません。
試運転費は5~6千円程度ですが、冷媒の追加は1kgあたり3~4,000円程度必要です。

業者様の経費

一般的には、トータル金額の5~10%程度が、この項目に算入されます。

例:5馬力天井カセット型設置(新設)の場合

例として、5馬力の天井カセット型業務用エアコンの設置を考えてみます。

  • 室外機設置費 (屋上・地置き)  25,000円
  • 室内機設置費  30,000円
  • 配管工事費  9.5φ × 15.8φ 25m 100,000円
  • 二次側電源線工事  10,000円
  • ドレン管工事  VP25  10m  35,000円
  • 制御線工事  (配管工事費に含む)
  • リモコン線工事  3m  3,000円
  • 機器搬入費   30,000円
  • 廃棄処分費  10,000円
  • 気密試験費  20,000円
  • 金物、消耗部材費  20,000円
  • 養生費  20,000円
  • 試運転調整費  5,000円
  • 経費  15,000円

合計 323,000円
となります。

例:5馬力天井カセット型リプレース工事の場合

では、同じく5馬力の天井カセット型業務用エアコンのリプレース工事(配管配線を既設利用して、室内機・室外機・リモコン)考えてみます。

  • 室外機設置費 (屋上・地置き)  25,000円
  • 室内機設置費  30,000円
  • 配管工事費  9.5φ × 15.8φ 1m 14,000円  ※1
  • 二次側電源線工事  5,000円
  • ドレン管工事  VP25  1m  9,000円  ※1
  • 制御線工事  (配管工事費に含む)
  • 機器搬入費   30,000円
  • 既設機器撤去費  15,000円
  • 廃棄処分費  20,000円
  • 冷媒破壊処理費(証明書発行含む)  20,000円
  • 気密試験費  20,000円
  • 金物、消耗部材費  10,000円
  • 養生費  20,000円
  • 試運転調整費  5,000円
  • リプレース可否判定費  10,000円  ※2
  • 経費  11,500円

合計 244,500円
となります。
ご参考までに。
※1冷媒管・ドレン管は流用する場合でも、機器周辺の接続部は若干の加工(短縮・延長及び溶接作業など)が必要になりますので、 工費は発生します。
※2リプレース可否判定は、ほぼ発生しませんが、メーカーや機種によっては、専門技術者の判定が必要になります。

また、天井カセット4方向型業務用エアコン(シングル=室内機1台:室外機1台の組合せ)で、一般的な仕様(オプション品や格別な効率性能を持たせたものでない仕様)のものであれば、概ね25~35万円が機器の費用となります。

まとめ

かなり高額なお買いものになることがお分かりいただけましたでしょうか?
最も良いのは、発注先を、「機器」と「工事」に分離しないことです。
専門業者様なら、常に業務用エアコンを購入していますので、一般ユーザーよりかなり安く仕入れています。
また、工事費用と機器費用を併合することで、受注側の経費は削減できますので、一括で発注すると良いでしょう。
機器のみの見積を入手しておき、その見積を基に、(一括発注するであろう)工事業者様と打ち合わせと金額の折衝をなさるもの、一つの方法です。

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